シニアNavi 岡山 vol.11 2013年秋号
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 大学時代にお世話になった先生から「宗教は、死んでどうとか、何かのために明日をどうとかではない。〝今〞がテーマなんだ」という教えを受けました。言い方を変えれば、今日一日、さらにいえばこの瞬間を自分はどのように生きるかというのが、大きなテーマということになります。社会人であれば、社会人としての今の生き方がありますでしょうし、老後には老後の今を大切にするテーマがあるということです。 ところが、ここに日本人として忘れていることがあります。それは「伝承」です。では、何を伝えるかというと、今を生きるわたしの生き方を伝えるということです。たとえば、文化や暮らし、家庭の味もそうです。おじいちゃん、おばあちゃんから伝わってきたものをそれぞれの家庭で次に伝えていくことも、「今を大切に生きる」ことのひとつだと思います。宗教はとかく亡くなった方を扱うと言われますが、現是利益の考えから離れて「今、自分がどうなんだ」というテーマに返ってくるべきだと考えています。 南こうせつの歌に「人生に始まりと終わりがあるなら見届けてみたい」という一節がありますが、今を大切に生きていても残念ながら、わたしたちは自分が生まれたときも亡くなったときも見届けることはできません。自分の最後はこうあって、みなさんにこう送ってほしいと願っても、それを見届けることはかないません。そこで、「今を大切にする」というテーマで〝葬儀〞を考えますと、亡くなった方を最大限の気持ちで送ってさしあげることだと思います。先々の行く場所は宗教によって違うかもしれませんが、共通する最大限の送り言葉というのは「ありがとう」ではないでしょうか。その言葉を心からかけてあげることができるのは、生前にしっかりと〝伝承〞があったということでしょう。子育てというのは〝伝承〞です。教育も〝伝承〞です。ところが、現在はこの〝伝承〞の部分が壊れてしまいました。例えば、「今を大切に生きる」ならば、教師は教師とはどうあるべきか、僧侶は僧侶とはどうあるべきかを真剣に考え直さなければなりません。そこで、伝えるべき大切なことが見えてくるのだと、私自身も日々反省しております。 この寺の建物もそうです。肝心な文化を次の世代まで伝えようとすれば、見せかけだけの派手な改修では何も伝わりません。本物が伝わる改修でなければならないと試行錯誤し、妥協をせずにコツコツと手直ししてまいりました。 〝伝承〞の積み重ねがあってこそ、お参りに来られた方々の心を癒やす空間となるのではないでしょうか。いのうえPresentsこころ通信プラス<空メール送信>wa@mgmgmg.jp「今を生きる」宗教でありたいこころがほっと、元気に過ごせるひとことメッセージを毎朝8時に、メールで配信!岡山のお寺のご住職、神社の宮司様の心あたたまる言葉であなたのこころに愛をそそいでみませんか?エヴァホール100周年限定企画メルマガ会員募集<QRコード登録>登録は簡単!無料お好きな方法どちらかでふるさと社寺巡り大導山顕本寺(通称・ふくろう寺)顕本寺の開創は明治14年(1881年)ですが、その始まりは江戸時代中期にあり、日蓮宗の一派「不受不施」の流れに起源があります。そのため、長い潜伏期間、弾圧に耐えてきた先人の思いの上にこの寺は建てられました。客殿は、開創当時の132年前の面影を良く伝え、唐破風屋根を持った大玄関、出書院、床脇を備えた上段の間と貴重な江戸時代の様式を伝えています。平成の大修理の折、本堂の屋根からふくろうの赤ちゃんが出てきたことから、「ふくろうの寺」として知られるようになり、現在では園山春二画伯の天井絵が本堂で迎えてくれます。あらかじめ、連絡しておけば拝観可能です。 清水白桃発祥の地といわれる岡山市北区芳賀。 豊かな田園地帯を見下ろす小高い地に、ふくろう(不苦労)の寺として知られる「大導山顕本寺」があります。今回は顕本寺第七世、佐藤義亨さんにお話を伺います。大導山顕本寺岡山市北区芳賀2629TEL 086・284・0763HPVol.5だいどうざんけんぽんじさとう ぎこうふじゅふせ顕本寺 岡山検索いま感謝のみちしるべ感謝の道しるべ32

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