シニアNavi 岡山 vol.14 2014年夏号
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母の認知症は天からの贈り物Vol.2 ひとりっ子の私は、父の急逝により、東京から岡山に戻り、認知症の母を介護しようと腹をくくったものの、想像以上の苦難が待ち受けていた。 生来きれい好きの母だったが、認知症になってから家の中は埃だらけになっていった。私は帰省のたびに大掃除をし、東京に戻っていた。 実家での生活を始めてからも、掃除をしていると母はいつも、「今日は東京に帰るの?」と心配そうに尋ねてくる。 その言葉の裏の本音を知り、「ううん、ずっとここにいるよ」と答えると、母は安堵の表情に変わる。しかし、五分もしないうちに、また同じ問いを投げかけられる。 母はずっと家計簿もつけていた。私が生活に加わったことで、買物のレシートには、母の見慣れぬ品目が並ぶことになった。「こんなもの買った?」「それは私の飲み物。冷たい紅茶よ」「わかった、アイスティーね」納得顔の母。「家計簿に書いておいたら」「後で書くから」「後じゃなく今書いておいたら?」「うるさいなあ。まずはレシートの内容を知りたいの!」少し不機嫌になる母。「ちょっと、これ教えて」やっとのことでレシートの一番下まで説明を終えた私に母が指を指すのは、また最初の項目だった。 実家でテレワークできる環境を整え、仕事と介護を両立させそれまで元気だった親が突然倒れて入院…。あなたは、いざというときにどうすればよいかわかりますか?ある調査によると、介護経験のある人の半数以上が、「介護の方法や制度、介護施設などの情報を予め集めておけばよかった」と回答しています。シニアNaviではそうした声にお応えし、知っておきたい介護・生活支援サービスについての情報をはじめ、介護する人の心のケアの話題まで幅広くご紹介します。ハートフルナビOKAYAMA介護のココロ~元気に1964年生まれ、岡山県倉敷市出身。中小企業診断士。最年少で中小企業庁長官賞受賞。東京で2社の会社経営の傍ら、ITのわかる経営コンサルタントとして活躍。書籍をはじめ、「日経パソコン」連載など雑誌記事も多数執筆。2007年9月より認知症の母の介護のため、実家のある岡山県に拠点を移す。自らの体験から、介護やシニアライフに関する活動を始め、岡山県主催のビジネスプランコンテスト等で受賞。現在、母は要介護5。母のケアプランを自ら作成している。井上きよみさんNPO法人介護ん 理事長株式会社ハートバード 代表取締役母の不安私のいらだち OG GIKEN PRESENTS 岡山の介護と福祉〜情報ナビゲート介護が必要になる前にお話記憶障害ハートフルナビ30

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