シニアNavi 岡山 vol.16 2014年冬号
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ハートフルナビOKAYAMA介護のココロ~元気に1964年生まれ、岡山県倉敷市出身。中小企業診断士。最年少で中小企業庁長官賞受賞。東京で2社の会社経営の傍ら、ITのわかる経営コンサルタントとして活躍。書籍をはじめ、「日経パソコン」連載など雑誌記事も多数執筆。2007年9月より認知症の母の介護のため、実家のある岡山県に拠点を移す。自らの体験から、介護やシニアライフに関する活動を始め、岡山県主催のビジネスプランコンテスト等で受賞。現在、母は要介護5。母のケアプランを自ら作成している。井上きよみさんNPO法人介護ん 理事長株式会社ハートバード 代表取締役その日はある日突然に…高齢になる両親を持つシニア世代にとって介護の悩みは人ごとではありません。そして自分自身もいつまたどんな風に介護される側になるかもしれません。シニアNaviでは岡山県内の介護や福祉の話題を取り上げ、上手に心の整理をつけたりプロの力を借りたりするためのアドバイスを紹介します。岡山の介護と福祉〜情報ナビゲート介護が必要になる前にお話母の認知症は天からの贈り物Vol.4 私は認知症の母を三年間、自宅介護した後、老人ホームに預けた。今回はあずけるまでの葛藤と、あずけた後の気持ちを綴ろうと思う。 親を介護施設に入れると「あの人は親不孝者」「鬼嫁」と後ろ指を指す人がいる。 しかし、私は在宅介護と施設介護のそれぞれの良し悪しを調べ、「施設介護は決して後ろめたいものでない」と頭では理解していた。ただし、母が家で暮らしたいと言うなら、それを叶えるのが親孝行で、私の役目だと思った。が、やはり後から振り返ってみれば、私自身が「施設は姥捨て山」という偏見を持っていたのだ。 だから、私は「できる所まで何とか自宅で」と考え、無理を重ねていた。介護に疲れ果て、生気を失い、心もすさんでいた。 不思議なもので、認知症の人は、相手の心の内が読めるがごとく、まるで鏡のように、同じ心理状態に陥る。私が怒れば母も怒り、私が泣けば母も泣く。私の笑顔が消えれば、母の笑顔も消える。 当時、私を見た友人はこう言った。「傍から見れば、十分に共倒れ状態だよ。」私も「このままでは母よりも先に自分が逝ってしまう」と本気で思っていた。 友人の言葉に背中を押され母を見送った、あの日私自身の偏見との戦い共倒れ状態の親子ハートフルナビ28

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