シニアNavi 岡山 vol.18 2015年夏号
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 やさしく心地よい日本の暮らしを象徴する「畳」は、古くから岡山県の特産品として知られてきました。現在でも、全国の畳表の約3割、工業表の約6割、畳縁の生産量においては約9割を岡山県が占めています。 その畳王国・岡山にあって「古事記の時代から1600年の時をつなぐ『畳』は、安全性や快適性において世界に発信すべき日本文化」と、熱く語るのは、岡山市南区にある「ナカシマ建創」の中島昭正社長。「畳を通して、日本の知恵を未来へつなぎたい」という中島社長ですが、かつては畳店の仕事はしたくないと、サラリーマンの道を目指したことがあったそうです。高校、大学と商業系に進学し、営業の仕事に就いたにもかかわらず、長男の宿命を背負って岡山に帰ってきたのが28歳。それからわずか3か月で先代は入退院をくり返す日々となり、修行など満足にできないまま畳店の二代目となりました。当初は笑い話のようなことばかり、納品時期さえ想像がつかず、缶コーヒーの箱を抱えて建築現場を周り、大工さんらに「僕はいつ来たらいいでしょうか」と頭を下げて回ったとか。そんな右も左も分からぬ跡継が、さまざまな人々に支えられ、教えられ、畳店の仕事が腑に落ちたのは6年後のことでした。 日本のやさしい暮らしを象徴する畳畳王国からの新たな挑戦は「水に耐える畳」123畳の表替作業。畳縁を外し新たな縁(へり)を機械で縫い付ける4若いスタッフとともに5介護施設にて。畳縁の段差をなくした形状が車イスでの使用も可能に。畳の持つ適度な弾力が転倒予防にも役立つと評判。6畳縁のスロープが段差を緩和。耐水性・耐摩耗性に優れ「岡山県新商品認定」を受ける。1600年の時の知恵「畳」を受け継ぐ社会のニーズを見直し誕生した「耐える畳」 当時は、畳店が営業に回るなど、それこそ笑い話になる時代。「ええもんを作れば、自然と仕事は来る。売り込むなんぞ、よほど腕に自信が無いのか」と言われたそうです。けれど、時代は畳文化をどんどん片隅に押しやって行きます。そこで、どうにかして畳を次の時代に伝えたいと、中島社長は営業の視点で畳を見直します。そして誕生したのが、「水に耐える畳」や「バリアフリー畳」です。 中島社長は「畳ほど衛生的で、衝撃を吸収するため安全性に優れ、何より心地よいものはない。その特性こそ、現在の高齢化社会で生かされるべきだ」と確信していました。そこで、介護や福祉の現場で必要な、はっ水や耐水効果がある畳、車いすでスムーズに上がれる形状で丈夫な畳を生み出したのです。もちろんこれは、子育て中のご家族やペットと暮らす人々にとっても頼りになる畳です。歴史の技をつなぎながらも、時代のニーズに応える畳。次世代に畳文化を伝え、世界に発信したいと願う中島社長の思いが形となった畳です。 次回は中島社長から畳を学ぶ「目からウロコの畳講座」をお届けします。64321有限会社 ナカシマ建創岡山市南区福富中1-11-5TEL.086-264-7575info@n-tatamidesign.com533岡山プロダクツ

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