シニアNavi 岡山 vol.20 2015年冬号
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 読者の皆さんに質問です。「日本の三奇橋  」って、聞かれたことありますか? 最初に思いつくのは山口県岩国市の錦川に架かる「錦帯橋」だと思います。次は徳島県西祖谷にある祖谷のかずら橋と東祖谷の奥祖谷二重かずら橋。最後は山梨県大月市にある「猿橋」。 西日本にお住いの方なら「錦帯橋とかずら橋の二つ」は簡単に思いつくと思います。ここで云う「三奇橋」は各地方や時代と共に選ばれている橋が変わってきているのです。 例えば江戸時代には、「岩国の錦帯橋」「甲州の猿橋」「黒部の愛本橋」、或いは「岩国の錦帯橋」「甲州の猿橋」「木曽の桟」が選ばれており、「徳島県・祖谷のかずら橋」は選ばれていません。 JR中央本線猿橋駅下車、徒歩15分程度で「猿橋」に到着します。近くの大月市郷土資料館では「猿橋」の構造模型をはじめ歴史的資料も展示されています。 この橋は甲州街道に位置し、昔から重要な橋でした。長さは約30m、幅3.3m水面からの高さ31m。猿橋は桂川の両岸が崖となってそそり立つその最も幅が狭まり、岸が高くなった処に架橋されています。特徴的な構造としては「刎橋」で両岸の岩盤に穴をくり抜き刎木を斜めに差込み、中空に突き出させる。その上に同様の工法で刎木を何本も設置し、これを足場に橋梁を組み上げ、板を敷くことで人が歩ける橋にしたものです。  文章で説明してもなかなか理解できないと思いますので写真を参照してください。   一級建築士「近代建築施工技術史研究会」会長。明治・大正・昭和初期までに開発された建築施工技術とそのルーツを調査研究。特に「伝承されなかった幻の建築技術」の発掘をライフワークとし全国行脚中。行って発見 !見て感動 !児玉 博文文・写真アイ・デザイン株式会社設計部・部長建造物からひもとく歴史見聞録建築士児玉 博文の日本三奇橋・甲州猿橋と防府枡築らんかん橋きんたいきょうはねばしはねぎいやさるはしあいもとばしかけはしかけはし甲州の「猿橋」山口県防府市に残る刎木構造の石橋さるはしますつき(注1)(注2)(注-2)岩盤に開けた穴に刎木を差込み、その直上部に同じく穴を穿ち刎木を差し込む。(直下の刎木に支えられることでより遠くまで刎木を伸ばすことができる。)こうして、梁間(スパン)の長さが短くなった段階で其の上に橋桁を架け板を敷き詰めて橋が完成する。猿橋 人道用木製橋猿橋 人道用木製橋UGコラム22

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