シニアNavi 岡山 vol.20 2015年冬号
27/52

 完璧という憧れは手にすることもなく生涯を終えてしまうのだろうな、と逆に、そのことを清清しく思えるようになった。未完であることの自由が、枝葉を伸ばして花が咲く。実をつける。 将来の計画をきちんと話してくれる友人がいる。何歳になったら気に入った老人ホームに入るの、その西村玲子のつなぐ暮らし時、彼女はまだ若く60歳くらいをその年齢に当てていた。それはまだ若すぎるでしょう、とのん気な私が言う。何年か過ぎ、70歳にしたわ。70歳ね、私はその年齢を過ぎたけれど、まだ元気よと言う。「西村さんは別よ、私は5年後に自信がないの、今から気持ちをそちら方向に向かって生活することにしたの」 私は友人が羨ましい。独身で自分の責任で自分を守る。私はその潔い選択を選ぶには未来が見えない。先は霧が掛かっていて全く見えない。完璧は程遠いのだ。だから、目の前の毎日を徐々に整えていく。 話は変わるが、一年に一度の個展を開催している最中である。今回は久し振りのニューヨーク旅行で植物園に感動し、テーマは植物にする。絵と手作り、コラージュなど。何にしようかと考えるのは楽しい。ビンに入った作りかけのもの、試作品のパーツなどを使って、コラージュやコサージュなどを作る。未完のものが形を作る。人生もこれに似ているな。未完で待機していたものを完全なものに作っていく。思いもしなかった形に姿を変えていく。それらが勝手に自由に形を取ってくれる。整えて憧れの形に近づける気持ちがあれば上手な方向に進んでいけると思う。 自分の立場や、持って生まれた性格、そんなオリジナリティは動かせないかもしれないが、柔軟で自由の中から出てくる発見を大切にしたいと思う心だけは大切にしたいものです。〝未完〞が勝手に自由に形を作る、人生も似ているな。27西村玲子のつなぐ暮らし

元のページ 

page 27

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です