シニアNavi 岡山 vol.23 2016年冬号
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糖尿病になっても健康な人と少しも変わらない豊かなクオリティー・ライフを維持するために。糖尿病Close up!古い常識を正して新しく!独立行政法人国立病院機構岡山医療センター日本糖尿病学会専門医・指導医・評議委員/日本内科学会認定医・総合内科専門医・指導医/日本肥満学会会員糖尿病・代謝内科 医長肥田 和之 先生お話をお伺いしたのは だれでもご存知の糖尿病。でも血糖値が少し高いぐらいでは自覚症状が出にくく、酷くなってから見つかることが多いのが、この病気の恐ろしい点です。また、血糖値が高いままの状態が続けば、「糖尿病神経障害」、「糖尿病網膜症」、「糖尿病腎症」など、さまざまな合併症が生じるようになります。人工透析が必要となったり、壊死を起こした下肢などを切断しなければならなくなったり…、さらに病状が進めば最終的には死に至ります。 他にも動脈硬化を招きやすくなり、脳梗塞や心筋梗塞のリスクが高まり、最近の研究では、がんの発症率を上げることも明らかになっています。 どんな病気にも言えるのですが、糖尿病の治療や合併症予防には「早期発見」が決め手になります。まず、生活習慣やご自身の体調・コンディションへの気配りとともに、定期的な健康診断や検診を必ず受けるようにしてください。もし要指導や要観察、要検査と判定されたら、「自分は大丈夫」といった無用な思い込みはせずなるべく早く、詳しい検査を受けるように。病気の進行を見逃すのもあなた、自分の身体を生かすのもあなた自身なのです。 早い時期に発見できれば、食事や生活習慣の改善や適切な治療を続けることで、健康な人と少しも変わらない生活を維持することができます。なかには食と運動療法だけで済む場合もありますが、必要であれば薬物療法をしっかりとおこないます。 高齢者の方には、従来の血糖を下げれば下げるほど良いというのではなく、今日では年齢やライフスタイルに応じ、かつ低血糖を起こさない治療が求められており、血糖コントロール目標を主治医と相談しながら治療方針を決めていくことが大切です。 薬物療法には、患者さんが自分で注射して足りないインスリンを補う「インスリン療法」と「経口血糖降下薬投与」があります。インスリン療法は、インスリンが絶対的に不足する1型糖尿病や、厳格な血糖管理が必要な妊娠糖尿病、他の治療で血糖コントロールが不十分な2型糖尿病が対象。経口血糖降下薬は、飲むお薬のこと。今までは1日に1〜3回服用する薬が一般的でしたが、2015年には一週間に1回の服用で済む薬も登場しました。薬を1剤でも減らしたいと思われている方にとってこれは大きなメリットですね。 繰り返しますが、糖尿病は初期から継続的にしっかり治療すると、健康な人と変わらない生活を送れます。適切な検診、検査、治療を行い、重症化を予防してください。1週間に1回の服用で済む治療薬も登場。ライフスタイルにあわせた治療を!取材・文=中田紀夫 イラスト=吉田カオルコ1000万人を超えると推定され、年々増加している日本の糖尿病人口。平成27年の死因別死亡総数のうち、糖尿病による死亡数は 1万3327人。社会問題化するこの病気の現状について最先端研究を続ける専門医の先生にお聞きしました。厚生労働省「人口動態統計の概況」※重症感染症、手術前後、重篤な外傷のある方/重症ケトーシス、糖尿病性昏睡又は前昏睡、 1 型糖尿病/以上に該当する方はインスリン製剤による厳格な治療が必要になります。注)注)健康ナビ36

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