最新号 2017 春 vol.25 12月15日発行|シニアNavi岡山
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 診察室で患者さんに「調子はどうですか」と尋ねると、全然よくならない、首が痛くて夜は眠れない、腰やひざが痛くて歩くこともできないなどと、次から次へと湧き出る泉のように体の不具合を話し続ける方がいます。こういう人のなかに診察室に杖もつかずに歩いて入ってきて日々の痛みを話す間はずっと椅子に座っている方がいます。 客観的にみればこの患者さんは痛みが楽になって歩けるようになり背もたれのない診察室の丸椅子にずっと座って話ができるのだから腰痛もたいしたことがない状態です。そこで「あなたは杖もつかずに歩いて診察室に入ってきたのだから痛くて歩けませんなどと言わないほうがいいですよ。」と話をすると「今は痛くないけれども痛いときは本当に痛くて全今回は過去や未来にとらわれず今を生きれば楽しく生活できますよというお話です。川口 洋倉敷リバーサイド病院人工関節センター長平成元年防衛医科大学卒業。平成5年、倉敷中央病院。平成18年12月から倉敷リバーサイド病院~現在。経験手術数8000件、人工関節治療の経験数は2100件以上。関節の痛みでお悩みの患者さんへの講演を定期的におこなっている。 先生Kurashiki Riverside Hospital Presentsく歩けなかったんですよ。」と返事が返ってきます。この患者さんは、痛みがきつくて歩けなかった過去にとらわれて杖なしで歩けている今も痛くて歩けないかのように苦しんでいるのです。シニア世代になるとあちこちに時に強い痛みがあるのが当たり前なのですが、そういう一つ一つの痛みをまるで今感じている痛みのように頭の中で繰り返し思い起こしてつらい日々を送っているのです。 一方今を生きている患者さんに「調子はどうですか」と尋ねると、「ありがとうございました、この間はすごく痛くて歩けなかったのですが痛みが少し良くなって今日は歩けるようになりました。」というような返事が笑顔で返ってきます。 年齢相応のひざの痛みで治療をしている患者さんが「この↓その7今を生きる過去にとらわれない。未来にとらわれない。全然 よ〜ならんのよ〜首が痛とうて夜は眠れんのよ~調子は どうですか?腰やひざが痛とうて歩くことができんのじゃ。Doctor’s Column34

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